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今日の福音(2016年10月2日)

種一粒ほどの信仰があれば

ルカによる福音書17章5~10節








 イエスの弟子たちが「わたしどもの信仰を増して下さい」とイエスに求めます。イエスは「もしあなたがたにからし種一粒ほどの信仰があれば、この桑の木に、『抜け出して海に根を下ろせ』と言っても、言うことを聞くであろう。」と答えます。信仰には、多い、少ないの、大きさの違いはありません。信仰は、あるか、ないか、のどちらかなのです。たとえ信仰がからし種一粒ほどの大きさであっても、信仰というものは、もうそれで十分な力となります。
 イエスが信仰にたとえた「からし種」は、最も小さな種といわれています。種の直径は1ミリメートルあるかどうかの、とても小さな種です。しかしその種は、条件が良ければ高さが5メートルにも成長する植物となります。からし種は、その小さな中に、成長していく驚異的な力を秘めています。信仰にも、成長していく力が秘められています。あるか、ないか、が問われる信仰。しかし、いったんその信仰をもつなら、人はその信仰によって、神に向かって大きく成長していくのです。
 イエスは、からし種のたとえを語った後に、主人と僕のたとえを語ります。それは、神と、信仰をもって神に仕える者との、関係を表しているたとえです。畑を耕し、羊の世話をして夕方に帰ってきた僕であっても、自分の夕食をとるのではなく、まず主人の夕食の用意をし、主人の夕食の給仕をします。そしてその僕は、「しなければならないことをしただけです。」と言うことが求められます。信仰をもって神に仕える者は、自分の立場や力を誇示するために信仰をもとうとするのではなく、どこまでも、神の豊かさと喜びを現す者として成長していくのです。