今日の福音(2012年4月22日)
信仰の目が開かれて
(ルカによる福音書24章36b~48節)
本日の福音書の朗読では、ルカによる福音書を通してイエスの復活の出来事が知らされます。復活したイエスは現れ、弟子たちの真ん中に立たれました。そして「あなたがたに平和があるように」と言われました。弟子たちは恐れおののき、亡霊を見ているのだと思いました。イエスは、「まさしくわたしだ。触ってよく見なさい。」とさらに言われました。そしてイエスは、モーセの律法と預言者の書と詩編に書いてある聖書の事柄を悟らせるために、弟子たちの心の目を開いて、救い主である自らの受難と死と復活の意味を語ります。
聖書の原文のギリシア語では、「亡霊を見ている」の「見る」は「セオーレオー」という言葉が用いられ、それは「眺める」という意味です。「触ってよく見なさい」の「見る」は「エイドン」という言葉が用いられ、それは「認める」という意味です。そして「心の目を開いて」の「開く」は「ディアノイゴー」という言葉が用いられ、それは「意味を解き明かす」という意味です。
復活したイエスと出会った弟子たちは、単にイエスの姿を「眺めて」いたり、復活したイエスを「認めて」いるだけでは不十分でした。そうではなくて、復活したイエスの、その出来事の意味を解き明かされ、その出来事の意味をしっかりと理解しなくてはならなかったのです。
イエスは死と滅びからよみがえられました。それは死と滅びという限界を超えて、私たちに神の愛の完全さを現実のものとして与えて下さったのです。そしてそのことは、私たちもイエスと同じ復活の恵みにあずかることができるという、永遠の命を私たちに約束して下さったことなのです。この復活の出来事の意味を、私たちは信仰の目が開かれてしっかりと理解することが求められています。