今日の福音(2011年10月2日)
託された「ぶどう園」
(マタイによる福音書21章33~43節)
先週、先々週と、ぶどう園がでてくるイエスのたとえの教えが続きましたが、今週の福音書でも、イエスはぶどう園の出来事をたとえて教えます。
本日のイエスのたとえと教えは、旧約聖書と新約聖書のメッセージが要約されたもの、と言えます。たとえにでてくる「主人」は神、「ぶどう園」はイスラエル、「農夫たち」はユダヤ教の指導者たち、「僕たち」は預言者、「主人の息子」はイエスです。またイエスが引用した聖書の聖句は、詩編118編22節、23節で、そこに示される「家」は教会、「親石」は復活したイエスをさします。神(主人)はこの世界に救いをもたらすためにイスラエル(ぶどう園)を選び整えますが、その指導者たち(農夫たち)は自らの権威志向と欲望によってイスラエルを自らのものにしようとします。託された「ぶどう園」を自らの欲望のための略奪の対象としたのです。そして神に立ち帰るように教え述べる預言者たち(僕たち)を迫害しました。そして神から遣わされた神の独り子であるイエス(主人の息子)を十字架にかけて殺してしまうのです。しかし救いを宣べ伝える教会(家)は、復活したイエス(親石)の上にしっかりと建てられ、この世界に救いを証しし続けているのです。
イエスはこのたとえを語ることによって、神の計画を私たちにあらためて確かめさせ、しっかりと教え示します。この世界という「ぶどう園」に希望と喜びと救いという豊かな「実」が結ぶように、神から今や私たちはこの「ぶどう園」を託されているのです。