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今日の福音(2016年11月13日)

信仰が問われる

ルカによる福音書21章5~19節











今日の福音書では、エルサレムの見事な神殿に見とれている人々が記されています。その神殿は見事な石と奉納物で飾られていて、神殿を造った人間の栄華と、その栄華がいつまでも続くことを約束しているかのようでした。その神殿に見とれている人々に対して、イエスは、神殿の徹底的な崩壊を予告します。人間が見とれてしまう上辺の見事さ、美しさ、立派さ、栄華が、徹底的に取り払われる時が来る、と予告したのです。そのことはまた、私たちのこの世界に神の支配がはっきりと介入し、そのことがはっきりと現れることです。これを教会では「終末」と呼んできました。
終末の時、信仰がはっきりと問われます。これまでのことの上辺さがはっきりとさらけ出され、大混乱と不安が深まります。そして、「救いはこれだ」という、惑わす者が大勢現れます。天変地異や戦乱、災害も起こります。それぞれの私たちの目の前の、具体的な事柄が不安と悩みに変わります。しかしこの時こそ、信仰が問われているのです。そしてこの終末は、実は、決定的な神の支配がなされる新しい世界の始まりへと突入したことなのです。
イエスはこの終末に生きる者へ、三つの救いの言葉を語ります。「惑わされないように気をつけなさい。」「言葉と知恵を私があなたがたに授ける。」「忍耐によって、あなたがたは命をかち取りなさい。」という言葉です。
イエス・キリストが私たちのうちに来られて以来、私たちは新しい世界へ突入しました。終末が始まり、今、私たちは新しい世界へ向かいつつある終末に生きています。新しい世界へさらに向かいつつある私たちは、惑わされていないでしょうか。イエスの言葉と知恵を求めているでしょうか。イエスの約束して下さった真の命をかち取るために忍耐をおしまずにいるでしょうか。