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今日の福音(2016年5月15日)

「すべての力は神のために」

使徒言行録2章1~11節











 教会暦によって今年の復活日は例年よりもとても早く訪れました。そのことによって今年の聖霊降臨日(ペンテコステ)も5月15日(日)と、例年よりも早く迎えます。聖霊降臨日は、教会の長い歴史のなかで、復活日(イースター)、降誕日(クリスマス)と共に、三大祝日とされてきました。それは、力のなかったイエスの弟子たちに、まさに奇跡的な力である「聖霊」が与えられた、という出来事を祝ってきたからです。この出来事は、聖書の使徒言行録2章1節~11節に記されています。それによると、イエスを十字架につけたユダヤ人達を恐れていたイエスの弟子達が、突然聖霊を受け、そして弟子達は力強くイエスの教えと神の福音を公に宣べ伝え始めました。そのことをもって、聖霊降臨日は「教会の誕生日」とも言われます。
聖霊が弟子達に与えられるということは、かつてイエスが弟子達に前もって約束していたことでした。「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。」(使徒言行録1:8)とイエスは、天に昇られる直前に約束されました。この受ける「力」は、聖書の原語で「デュナミス」という単語が用いられており、それは「不可能を可能にする力」「奇跡」「言葉の力である意味」と訳されるギリシャ語です。弟子達は聖霊を受けて、不可能を可能にする力を与えられ、奇跡を行う力を与えられ、どのような人々にも伝わる意味のある力ある言葉を語れるようになりました。
弟子達に聖霊が降る時、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、響きわたり、そして炎のような舌が分かれ分かれに現われ、一人一人の上にとどまった、と記されています。聖霊は、「風」、「音」、「炎」として、圧力、音、熱、光、というあらゆる力のかたちをとって、弟子達に迫り、そしてその力の本体である聖霊が弟子達に降りました。そして弟子達はその聖霊の力に満たされ、意味をもった力ある言葉を語り始めたのです。その言葉は地の果てに至るまで、主イエスは救い主である、と証しするのです。世界にある力、人のもつ力が、あらゆる時、あらゆる場所で、すべて神の働きのために用いられ、神の救いの完成が進んでいくのです。そのことに導く力、そのことを可能ならしめる力が、聖霊です。
私達のもっている可能性や能力、そして私達ができうる、たとえどのような小さな事であっても、聖霊はそのことを、神さまの働きの大きな力としてくださるのです。
私達の東京聖三一教会も、いついかなる時も、この聖霊によって力づけられ、支えられ、導かれているのです。